ASTERIA WARP 1712のリリースに伴い、Microsoft Office 365アダプターが新たにリリースされました。
Microsoft Office 365アダプターで使えるコンポーネントは下記の通りです。
Office365へSELECT文を発行して結果セットをストリームとして出力します。 | |
Office365のテーブルに対して更新を行います。 | |
任意のSQLの実行を行います。 |
今回は、Microsoft Office 365を使うための事前準備とコネクション作成方法についてご紹介させていただきます。
■事前準備
Microsoft Office 365への接続は、Azure ADのOAuth認証で行います。
Azure ADのOAuth認証にはアプリケーションを登録する必要があり、Microsoft Office 365 for businessアカウントと、それに関連したAzure AD subscriptionの両方が必要になります。
【Azure AD】
- アプリケーションの作成
下記の手順でアプリケーションを登録することができます。
- Azure ポータルで[Azure Active Directory]をクリックします。
- [概要]ブレードで[アプリの登録]をクリックします。
- アプリケーションの登録画面でユーザーがアプリケーションへの許可を求められる際に表示されるアプリケーション名を入力します。
- [サポートされているアカウントの種類]では[任意のAzure AD ディレクトリ - マルチテナント]オプションを選択します。
- リダイレクト URIは[Web]を選択し値をユーザーがアプリケーションを認証した後にユーザーを返すアプリのページに設定してください。
- [登録]をクリックします。
- アプリの設定
OAuth クライアントクレデンシャルを取得してアプリが要求する権限を設定する方法は次のとおりです。
- [証明書とシークレット]ブレードをクリックし、[新しいクライアントシークレット]よりクライアントシークレットを生成します。有効期限は任意の期間を選択してください。
- 生成したクライアントシークレットの値をコピーおよび保存します。
- [APIのアクセス許可]ブレードをクリックし、[アクセス許可の追加]をクリックします。APIアクセス許可の要求画面で[Microsoft Graph API]>[委任された許可]を選択し、アプリが求めるアクセス許可を選択します。
主要なアクセス許可は次の通りです。必要な機能を許可します。
- Files.ReadWrite.All:ユーザーがアクセス可能なすべてのファイルへの完全アクセス。
- Contacts.ReadWrite:ユーザーの連絡先への完全アクセス。
- Calendar.ReadWrite:ユーザーのカレンダーへの完全アクセス。
- Mail.Send:ユーザーとしてメールを送信。
- Mail.ReadWrite:ユーザーメールに読み書きアクセス。
- Directory.AccessAsUser.All:サインインユーザーとして直接アクセス。
- Group.ReadWrite.All:すべてのグループを読み書き
【ASTERIA Warpサーバー】
Microsoft Office 365アダプターを利用するためには事前にインストールしておく必要があります。
アダプターは[FSMC]→[システム]→[アップデート]画面にてダウンロードするか、ユーザーサイトからダウンロードしたアダプターをサーバーにアップロードすることで適用することができます。
アダプターのインストールについて詳しくは下記弊社のオンラインヘルプをご参考ください。
※アダプターのインストール後設定を有効にするためにはフローサービス全体の再起動が必要となります。
【フローデザイナー】
ASTERIA WARPサーバー側でMicrosoft Office 365アダプターが正常にインストールされたら、フローデザイナー側でコンポーネントを取得する必要があります。
手順は下記になります。
- フローデザイナーフローサービスに接続
- メニューの「ツール > コンポーネント/マッパー関数の取得」でjarファイルを取得
- フローデザイナーを再起動
※今回ダウンロードするファイルはfccdataoffice365-1712.0431.jarとなります。
■コネクションの作成
事前準備が終わりましたら、コネクションを作成します。
FSMCでコネクションを作成する手順は下記になります。
FSMC画面の[設定]→[コネクション]→[Office365]メニューから「新規」ボタンをクリックします。
コネクション作成画面が表示されますので、下記の通り項目を設定します。
- 基本設定
- 接続名:コネクション名を設定します。
- イニシエートOAuth:GETANDREFRESHを選択します。
現在トークンが存在しない場合にはブラウザを通じてユーザーをプロンプトすることで取得されます。トークンが存在する場合には必要に応じてリフレッシュされます。 - OAuthクライアントID:Azure ADの事前準備で作成したアプリケーションのIDを設定します。
- OAuthクライアントシークレット:Azure ADの事前準備で作成したクライアントシークレットの値を設定します。
- OAuth Callback URL:Azure ADの事前準備で作成したアプリケーションの応答URLの値を設定します。
※デザイナーからもコネクションの設定が可能です。
■コネクションの接続テスト
Microsoft Office 365アダプターのコネクションが作成されたので、コネクションの接続テストを実行してみます。
今回はOAuthトークン情報を自動で取得更新するために、「イニシエートOAuth」に「GETANDREFRESH」を設定しました。この時、最初にOAuthトークンを取得するにはWARPサーバー側でブラウザが起動され、ログイン画面が表示されます。
ログインに成功するとアプリで必要なアクセス許可をリクエストする画面が表示されますので、承諾をクリックします。
承諾をクリックすると認証に成功し、OAuthトークンが取得されます。
また、以下のようにコネクション接続テスト成功画面も確認できます。
■最後に
Microsoft Office 365アダプターの利用するために必要な事前準備、およびコネクションの作成方法についてご紹介いたしました。
コネクションの作成後接続テストが正常に行われるとOffice365Getコンポーネント、Office365Putコンポーネント、Office365SQLCallコンポーネントが使えます。
各コンポーネントの使い方については既存のRDB系のコンポーネントと同様です。
つまり、RDBGetコンポーネントの付属ツールである「SQLビルダー」、RDBPutコンポーネントの付属ツールである「テーブルの選択」ツールについても同様に使えます。
- Office365GetコンポーネントのSQLビルダー
- Office365Putコンポーネントのテーブルの選択
なお、Microsoft Office 365アダプターで使えるSQL文、またはデータ・モデルについては下記のCData社のオンラインヘルプもあわせてご確認頂ければと思います。
今回の紹介はここまでです。